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TOP企業インタビュー>Vol14:株式会社中村超硬 代表取締役社長 井上 誠

Q貴社の事業内容について教えていただけますか?

A現在は三つの事業をやっています。一つは、超耐摩耗精密部品事業で、例えばベアリングや電子部品などのような製造現場で使われる設備用の部品製造です。二つ目はプリント基板上に電子部品を乗せるための実装にまつわる事業です。最後は大阪大学との産学連携で生まれた医療事業で、歯科インプラント用の周辺機器製造ですね。

それと子会社として日本ノズルという化学繊維用の紡糸ノズルを作っている会社を持っていまして、厳密には三事業と子会社で四事業を行っています。

Q今までの経歴と中村超硬に入社したきっかけは?

A大学を卒業してSONYに就職しました。当時の仕事というのは、家庭用VTRの設備を設計する仕事から始めまして、その次に世界にない初めてのモーターを開発しようということでデバイスの開発セクションに移りました。そういうわけでSONYでは6年間勤めていた訳ですけど、そのとき、家内の父が経営する会社にピンチが訪れました。当時四人いた従業員が次々と引き抜かれていき、社長を含めて三人で事業を継続しなければならない状況になってしまいました。三十年も続いた会社が、その様な事で潰れてしまうのはもったいない事ですし、私は家内の父親を尊敬していましたので、SONYを辞めて今から24年前、29才の時に中村超硬に入りました。ものづくりの現場へ入っていろいろ勉強したのですが、大学で学んだ知識やSONYでの経験がほとんど関係のないものでしたから、大変苦労しましたね。

Qビジネスで一番苦労したこと、印象に残っていることは?

A一時期売上高が30億円程度まで上がった後に業績が大きく落ちて大きな赤字を出した時があったんですね。そこで、希望退職の方法を取って130人の従業員を90人までに落とさなければならなくなりまして、そうすると、優秀な人ほど退職を希望する人が多くてね。このときは一番辛かったですね・・・。

そこからは残りの90人で頑張ってきたわけですけども、そうすると、もっと優秀な人が入社してくれたり、売上も50億円まで伸びましたから、今思うと、その時の苦労は将来良くなるための試練を与えられたのではないかと思います。

Q社長業として心掛けていることは何でしょうか?

A一番心掛けていることは、フェアな経営をすることと、会社の情報はきちんとディスクロージャーすることですね。社員が働いていてやりがいを感じてくれる会社であってもらいたいと思っていますので、そのために経営者が出来ることは、その二つだと思います。それと会社もそうですけど社員も絶えずビジョンを持つこと。将来どういうことがやりたいかによって、社員個人もレベルがどんどん変わって来ますよね。私も最近のテーマとして会社の株式公開を目標に掲げています。

Q井上社長が自身のステップアップのためにやっていることはありますか?

A今は英語の勉強をしています。英会話のレベルをアップさせるためです。あと、これからは楽器をみんなの前で演奏できるようにしたいと思いますね。それと、社交ダンスも人の前で踊ったりしてるんですよ。つまりは緊張感を自分に与えようといつも心掛けています。緊張をする場に自分を置くということはしんどいことですけど、それが終わった後の爽快感というのは経験しないとわからないですね。辛いことが終わった後の満足感は、自分に次のステップへ行く勇気を与えてくれますから、常に緊張をする場に自分を置く努力は、死ぬまでやって行きたいなと思います。

Q御社の技術者は、最初は皆さん技術的に素人であるとの事ですが、技術者を育てる時に一番力を入れている点は?

Aチャンスを与えること、成長する場所を与えることですね。人って教えられるだけでは成長しなくて、頭で感じ取ったことを実践して、行動して初めて成長できますから、OJT(On the Job Training)を実施しながら一緒に仕事をして、自分のやり方を感じ取ってもらうようにしています。そこに責任を与えて自分で積極的に行動できるよう後ろから背中を押してあげる一方で、失敗したからといってそれがマイナスにならないようにも工夫しています。

Qどんな資質を持つ人材を求めますか?

A人間性ですね。人間性の中にはいろいろなポイントがありますけど、特に目の前のことすべてを肯定的に捉えて問題解決ができるプラス思考な人を重視しますね。あとは人間としてのまじめであることも重要視します。大学卒の社員も多数いますが、実務的に専門性を持って入社される人はまずいないですから、分からないことは自分で本で調べたりして理解しようとする気持ちがある人が欲しいですね。

Q子会社の日本ノズルは現在海外にも展開されているようですが、これから積極的な海外展開は考えているのでしょうか?

Aそうですね、先週上海で展示会があって行って来ました。テキスタイルという繊維関係の展示会だったんですが、今中国では、タバコのフィルターや炭素繊維、そして衣類用の繊維を作 る為のノズルを供給しています。今は中国だけではなく、インド、ヨーロッパ、アメリカとも取引を行っています。何を持って事業を展開するかが大事で、それをちゃんと決めてやっていきたいと思います。

Q日本での就職を目指す外国人留学生に対して、社長から何かメッセージがあれば聞かせてください。

A中国人の留学生でいうと、皆さんは大学を卒業して将来中国で仕事をしますね。じゃ、何のために自分が仕事をするのか? 例えばお金持ちになるため、それも大事なんだけど、より高い志を持って、中国という国をよくするために仕事をする考えも持ってもらいたいですね。日本の学生もそうなんですが、日本を良くするために自分が働いて、自分が何のために仕事をするのかをより具体的にして、世の中に役に立つ使命感を感じ取って欲しいかな。

Q大学生へのメッセージと共に、この製造業界のアピールしてもらえますか。

A大企業と言われるSONYも元々は町工場の製造業であって、初めはお米を炊く電気釜を作っていました。それからラジオを作ったりしてその時代のSONYもまさに町工場の製造業なんですよね。その後、テレビ、ウォークマンを作ってどんどん大きくなって、今はソフトウェア、バイオのようなコンピュータ総合的なエンターテインメントの方へ移って、売上が数兆円規模の大企業に今はなっています。

しかし、本当に勢いがあって高く評価されたのは、元々の製造業としてのSONYでね、そういうSONYのように将来光るかもしれない、光り方が違うかも知れないけどポテンシャルを秘めている企業は製造業界でもたくさんありますから、それを見つけ出すための勉強をして欲しいですね。特に色んな人とディベートを繰り返して多様な意見を共有して視野を広げてください。

Aそこで一つの指標として、私の会社もそうですが、ビジョンを持ってこういう風に成長します!というような開示がされている企業は良い企業だと私は思います。これから世の中のニーズーにマッチするような製造業、しかも成長の余地がある会社に行けば自分自身もハッピーになると思いますよ。

インタビュー担当者の感想

井上社長には忙しい中、インタビューの機会を与えていただき、大変ありがとうございました。失敗を恐れず、常に新たなものづくりにチャレンジする井上社長のお話は、一人の社会人としてどのような使命感を持ち、どう行動していくべきかをじっくりと考えさせるものでした。

泥臭く始まった製造業を、将来には磨けば光る素晴らしい存在に育て、社会に貢献していきたいと、社長は常に自身の目標を社会に繋げて考えていました。経営者の使命というのは、このような偉大な思想から始まるんだなと、インタビューの間ずっと心が揺さぶられていました。

李花粉

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